虎の巻 活動のステップ

(8)最初の1か月は、自分と仲間を知り、自分たちならではの企画を練る!
▼自分がやりたいこと、こういうイベントだったら楽しそうと思うことを積極的に言葉にし、他のメンバーに伝えましょう。
▼あわせて、他のメンバーがやりたいことにもじっくり耳を傾けましょう。
▼お互いに、どうしてそれがやりたいのか、好きなこと、得意なこと、挑戦してみたいことなどを聞きあって、仲良くなりましょう。仲良くならないと、遠慮なく意見も言えないので、魅力的な企画を考え、イベントで実現することはできません。
▼チームとして、「これなら面白い!」「これなら実現するために楽しくがんばれそう!」と思える企画を練ってください。
▼チームごとに、定例会議以外に、お互いを知るために交流する時間も用意しますので、積極的に参加してください。お互いに遠慮なく意見が言える人間関係ができていないと、イベントの企画もうまく進まないと思ってもらって間違いないです。

(9)「B.B. Arts(ブラビのコツ勉強会)」に参加しよう!
▼チームごとの集まりとは別に、各チーム横断で勉強会を開きます。
▼内容は、「会社を作るとは」「広報」「予算の立て方」「アーティスト交渉」などを検討しています。
▼その後にも、みなさんが興味のありそうなテーマの会など、いろいろ企画する予定ですので、興味のある分野で積極的に参加してください。

(10)「ユーザーヒアリング」を繰り返そう!
▼お客さんを楽しませるのがエンタメです!自分たちだけで考えるのではなく、「中間プレゼン大会」の前、企画のアイデア段階で、自分たち以外の「お客さん候補」の声を聞いてみましょう。「こんなライブなら来たい?」「いくらのチケットなら払える?」など、メンバー全員で友人などに聞いてみて、その反応をチームで共有すると、いろいろ発見があります。
▼さらに、値段や出演者などが具体的になってきた段階で、見込み客に「買ってくれる?」と尋ねてみましょう。売れても売れなくても「なぜ、そうなのか」の声を集めることは実際のビジネスでも超重要で、企画がどんどんリアルになっていきます!

(11)「中間プレゼン大会(1/7)」でイベント企画を発表、意見交換
▼ブラビOB・OGやゲストが集まる場で、チームで考えた企画を発表してください。自分たちが気づいていかなった点など、貴重なアドバイスがもらえると思いますので、有効活用してください。それまでに、チーム名(会社名)を決めてください。企画内容の発表が中心でよいですが、役職など他にも決まったことがあれば、あわせて発表してください。
▼また、イベントのチケットを実際に売り始める時のことをイメージするために、フライヤー(1ページのチラシ)のデザインも作ってもらう予定です。

(12)仕事の担当を決め、企画の具体化へ
▼自分たちが考えた企画のイメージから、具体的な出演者や、具体的な見せ方、実際に使う会場やシステム、それに必要な予算などを固めていく段階に入ります。
▼仕事の分担と責任範囲を決め、並行して進められるようにしましょう。
▼「会社」とはいっても、ベンチャー企業のようなもので人数も少ないので、一人が複数の仕事を担当するのが普通です。
▼また、一つの役職に担当が一人しかいないと、その人が動けなくなった時に会社全体が困ったりするので、どの役職についても、複数の担当者を選んでおいた方がうまくいくことが多いです。
▼なお、例えば各チームの広報担当が集まる会議など、チームを横断して情報交換できる機会も作りますので、うまく活用して下さい。

(13)アーティストとの交渉を始める
出演候補のアーティストをリストアップし、企画がある程度固まってきた段階で、自分たちの企画に興味があるか、打診するところから始めましょう。イベントの細かいところまで決まっていないと出演交渉はできない、と思う人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。「出演してください」というお願いではなく、自分たちの企画を説明し、「企画に興味をもって話を聞いてもらえますか?」というところから、早めに始めましょう。
▼交渉を始めてみればわかりますが、返信が来ないことも多く、なかなか大変です。断られても落ち込んだりしないで、どんどん動きましょう。
▼アーティストとの交渉は、必ずチーム公式のメールアドレスやアカウントを作って、それで連絡を取りあってください。チームの他のメンバーやメンターとの情報共有のためです。また、交渉のための文章が心配な時は、メンターに見てもらってください。失礼なメールや、わかりにくい文章を送ると、交渉は進みません。チームのメンバー、メンターに相談して、みんなの知恵を借りながら交渉を進めましょう。

(14)本格的にスケジュール管理を
▼この頃になると、100日の間にやるべき仕事の種類や大変さが見えてくると思います。何を、いつまでに決めて、誰が、どういう風に進めるのか、スケジュールと仕事の進捗の管理を意識しましょう。
▼スケジュールとタスク管理は、専用の便利なツールもありますし、エクセルだけでも管理できます。ビジネス経験の豊富な社会人の知恵も借りて、メンバー全員がそれぞれの仕事を着実に進められる仕組みを作りましょう。
ビジネスや複雑なプロジェクトの経験が少ないと、スケジュールを先回りして立てておくことの重要性がピンとこないかもしれません。しかし、過去のチームでイベント開催できなかった例を見ると、これが最大の原因になっていることが多いです。「今日これをやって、明日あれをやって・・・」と考えていくとのあわせて、「〇月〇日までにこれをやらないといけないから、その前の△月△日までにあれをやらないと・・・」と残りの日数から逆算して考える発想が大事になります。

(15)寄付先とコンタクトをとり、「寄付したい」意志を伝え、了解をもらう
ネットで調べただけで寄付先を決め、一方的にお金を送るのではなく、タイミングも考えて寄付先に連絡をとってください。その団体の活動内容などもよくわかり、寄付する意味も深く理解できます。
▼イベントのチラシやウェブサイトなどに団体名を掲載する許可をもらえれば、広報・集客面で効果が期待できる場合もあります。イベントの中で紹介することも考えられますし、寄付先の団体の方に出演してもらったイベントもありました。
▼ブラストビートでは14年の歴史の中でいろいろな団体に寄付してきましたし、NPOなどの知り合いもたくさんいます。相談にものります。

(16)「企画書」を作り、どんどん改良を
▼音楽イベントの「企画書(イベントの概要、コンセプト、収支見込み、広報・集客の計画、寄付先など必要な要素をまとめたもの)」を作り、チームのGoogleドライブに保存してください。加筆や修正を繰り返し、どんどん良いものにしていきましょう!これがアーティストに出演交渉するときや、寄付先に説明するときにも基本的な資料として、とても役立ちます。
企画書を作って文字にしていくと、何がどこまで決まっているのか、逆にまだ決まっていないことは何なのか、自然と整理できます。メンバーもメンターも、企画書の最新版を見れば最新の状況がわかるようにして活動するために、とても重要です。企画書1月10日版、企画書2月15日版……などと日付をつけて保存していくと、後で確認する時にも便利です。
▼企画書の中で、最重要の要素のひとつが、予算の計画です。支出については何にどういう経費が必要になるのか、チケットはいくらで何枚売って、いくら利益を出すことを目標にするのか。いくら寄付することを目標にするのか。予算はみなさんのビジネスプランをお金の面から表現するものです。
▼予算を細かく考える過程で、詰めなければいけないことも見えてくるので、しっかり考えましょう。ビジネス体験としても学びが大きいところです。ビジネスの予算計画は、そのビジネスで実現したいことを数字(動くお金)で表現したものと言えます。
▼さらに、オンラインでイベントを開催する場合は、配信と課金のためのプラットフォームも重要な要素です。技術的なことも自分たちで調べて、わからないことは詳しい人に尋ねるなどして、具体的な検討を進めましょう。自分たちがやりたい演出に必要になる機材、ネット回線などの条件、プラットフォームごとに違う規則、支払うことになる手数料など、いろいろあります。

(17)「直前プレゼン大会(2/4)」では、チケットを売り込むつもりで発表を
▼最初のプレゼンから1か月が過ぎ、具体的になってきたイベント企画をあらためて発表してください。チケットを売り込むつもりで発表してもらえれば、貴重なアドバイスがもらえると思います。各チームからプレゼンと質疑、フライヤーを作るなど、進め方は中間プレゼン大会と基本的に同じです。

(18)お金のかかる予約、チケット販売の前には、必ず「メンターのゴーサイン」を
▼直前プレゼン大会が終わったら、チケット販売開始も近づいてきます。
▼チケットを販売するにも、いろいろな方法があります。チケット販売のための有料サービスを使うのか/使わないのか、使うとしたら手数料や条件はどうなっているかなど、早めに調べておいてください。それが収支にも影響しますし、ネット上でお金を動かすにはそれなりの知識も必要です。
会場・設備の本予約(キャンセル料など、お金の責任が発生する予約)や、チケット販売を始める前に、必ず「メンターのゴーサイン」を得てください。メンバーに大きな金銭的負担がかかる事態などを未然に防ぐためです。(キャンセル料がかからない会場の「仮予約」は、メンバーの判断で進めてもらって大丈夫です。)
ゴーサインの条件は、企画書を最新情報に更新した上でメンターにイベント企画をプレゼンし、予算や集客の見込みも含めて全体的な内容の了承をとることと、「振り返り」を行う日時の決定です。(※「振り返り」の日時はイベント終了から1~2週間後、可能な範囲で対面で集まっての開催が望ましいです。3時間必要です。詳しくはメンター・事務局と相談してください)
▼なお、メンターにこのプレゼンをする時は、抜け漏れがないようにする意味で、事務局からも同席できるように、事前に連絡して日程調整をお願いします。また、このプレゼンは、チームとして100日間で最も重要なビジネス判断をする場になるので、できる限りメンバーがそろって参加できるようにしてください。
▼チケット販売を始めるのは、なるべく早い方がいいのですが、遅くともイベント当日の2週間前とします。つまり、イベント当日の2週間前までにメンターからゴーサインをもらえないと、予定した日にイベント開催はできないことになります。
▼チケット販売を始めるということは、その時点から本当にビジネスが始まり、社会的な責任が発生します。そのために詰めておかなければいけないことは、たぶん、メンバーのみなさんが想像するより多いです。そういうこともあって、メンターへのプレゼン1回でゴーサインが出るチームは少ないので、企画書に必要な要素をどんどん書き込み、メンバー、メンターと詰めていってください。そうすることで、何が決まっているか、何が決まっていないか、決める必要があるか、具体的に見えてきます。
 ※ 会場の予約などで、事前に多額の現金が必要になる場合、NPO法人ブラストビートから一時的にお金を貸すこともできます。貸付金額は企画の内容などから判断します。(計画によっては貸せない場合もあります。)借りたお金は、イベント終了後、速やかに返済をお願いします。

(19)イベント当日に向けた準備を万全に
▼イベントを行うための技術的な準備やテスト、イベントの台本作り、当日の仕事の分担、映像や画像の制作、お客さんの集客、買ってくれた方への連絡など、やることはたくさんあります。抜け漏れが起こらないように、わかりやすい資料を作って共有し、進み具合を常にチェックしながら進めましょう。
▼当日向けの準備と並行して、集客も当日までがんばることになります。企業の営業なら「アタックリスト」という言い方をよくしますが、集客を働きかける人の名簿をみんなで作って、お互いに声をかけあいながら進めていくのが効果的です。
▼目標達成目指して、ぎりぎりまでがんばりましょう!
▼また、集客リストをきっちり作っておくと、お客さんへの連絡・リマインドや、トラブルがあった時の対応もスムーズにできるので、とても大事です。

最後に

みなさんの先輩チームでは、プログラムが終わった後、「振り返り」をする時になって、「こうしておけば良かった」と気づくことが必ずたくさんありました。
その経験を踏まえて、後になって残念に思うことを少なくするため、そしてイベントを成功させるために、必要な要素がこの「虎の巻」には凝縮されています。

ときどき読み返してもらうと、きっと役に立ちます!
気になることがあれば、メンターや事務局にどんどん聞いてください!

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